サカナの雨!?超常現象ファフロツキーズとは
皆さんは、空から「えっ!?」と思うような物が降ってきた体験はありますか?
空から降ってくるものは、雨や雪、枯れ葉や花びらなどの植物、時期によっては黄砂やごくごく稀に隕石・・・。これらであれば、特に驚くこともありません。
しかし、日本を含めて世界では、奇妙な現象が起こることがあるようです。
もしも、突然頭の上から、大量のカエルが降ってきたらどうしますか?
降るはずのないものが降ってくる怪奇現象、「ファフロツキーズ」の真相に迫ります。
*タイトル画像
出典:
It Rained Fish In Thailand. Must See. Pictures - Foreign Affairs - Nigeria
1.超常現象「ファフロツキーズ」
ファフロツキーズとは、「FALLs FROm The SKIES」の大文字部分からの造語であり、オーパーツの命名者でもある、アイヴィン・アンダーソンが名づけました。
その元となった言葉通り、ファフロツキーズという現象は、「空から降ってくるはずのないものが降ってくる現象」を指します。雨や雪、黄砂、隕石などはもちろん、例えば魚やカエルであっても、近くで竜巻が観測されているなど、原因の判明しているものはこれに含まれません。
その歴史を紐解いて行くと、紀元前に遡ります。
古代ローマの博物学者プリニウスが、「博物誌」という書物の中で「ミルクと血の雨が降った」と記録しています。また、ギリシャの作家であったアテナイオスも2世紀頃に記された記録で、「カエルの雨が降り・・・」と記録を残しています。
また、最近のものでは、インドのアーンドラ・プラデーシュで「ヴァラガ」と呼ばれるナマズが大量に降り注いだという記録があります。この現象については、動画も見つかったため、掲載しておきます。
また、そのほかにも記録がたくさん残されているため、その中から一部をご紹介します。
・大量の獣の毛
1973年
江戸市全体に雨に混じって大量の獣の毛が降り注いだ。赤や白で長さは15cm~40cm程度、馬の尾ほどの毛だったとのこと。
・血の雨(赤い雨)
1980年
イタリアのカラブリア州で真っ赤な血の雨が降ったとのこと。強風で引き裂かれた鳥のものではないか、とされているが、その裏付けとなるような強風は観測されていないうえ、鳥の死骸も見つかっていない。
2001年
インドのケララ州で赤みを帯びた雨が降った。これはケーララの赤い雨とも呼ばれており、雨に菌類の胞子が含まれていた。ただし、その出所については依然として不明。
・魚の雨
アメリカのメリーランド州、ケンブリッジで数百匹もの魚が降ってきた。
インドのフッテプールで、日干しの魚が3000~4000という数で降り注いできた。
1948年
イギリスのハンプシャーで、元アマチュアゴルフチャンピオンのイアン・プティが夫人とゴルフをしていた際に、空には雲一つ無いにも関わらず、数百匹もの生きた魚が降ってくるのを目撃している。
・カエルの雨
1922年
フランスのシャロン=アン=シャンパーニュで2日間のヒキガエルが降り続けたという地元メディアの記録がある。
1969年
イギリス・バッキンガムシャー州の町で、数千匹のカエルの雨が降ったという記録を、イギリスの著名な新聞コラムニスト、ヴェロニカ・パプワースが残している。
・鉄の雨
紀元前54年
1953年
アメリカのコネチカット州ニューヘブンで、銅の欠片が雨のように降り注ぐ現象が起こった。
・その他
その他の事例として、ワニ、虫、植物、金塊、氷塊(バスケットボール大など通常ではありえない大きさのもの)などが報告されている。
2.ファフロツキーズの原因
1項で紹介したように、様々なものが降り注ぐ現象が世界各地で起き、多くの人の目で観測されています。もちろん、中には後になって原因のわかるものもあります。竜巻や鳥によるものなどです。
しかし、現在になっても原因不明なものが多くあります。それらの現象がなぜ起こったのか、どのような要因が考えられるのか、いくつかの仮説をご紹介したいと思います。
・竜巻原因説
現場の近辺での竜巻が原因であるという説です。竜巻は強い力で物体を巻き込み、上空へ放り出すため、雲の中の上昇気流によってかなり遠くまで物を運ぶことがあります。
実際に、ファフロツキーズだと思われていた現象の中にも、2kmも離れた場所で竜巻が起こっていた、という事例も存在します。魚やカエルが降ってくるときに、嵐を伴っていたという事例も多いことから有力な説であると考えられています。
しかし、ファフロツキーズが起こる時には、降ってくるものが単一の物体であることが多く、重量の軽いものを中心にあらゆるものを無差別に巻き込む竜巻が原因だとすれば、降ってくるものに偏りがありすぎるという点は指摘されています。
・鳥原因説
落下物の多くが、魚やカエルなどの水棲生物のため、鳥が獲物として捕らえた魚を上空で落下させてしまったのではないかと考えられています。ただし、「雨」と表現されるほど大量の魚であれば、鳥の群れそのものも大規模なものであるはずで、多くの人が空を見上げているときに、そうした群れが観測されないことはあまり考えられないため、可能性は低いとされています。
・飛行機原因説
これは、氷塊や金属などの一部の現象についての仮設だが、飛行中に飛行機の表面に水蒸気の凝固で氷ができ、それが塊となって落下するという現象が依然より報告されているそうです。また、貨物室が何らかの理由で開いてしまい、積み荷が落下するということも考えられます。
・その他
その他にも、悪戯説や錯覚説があります。悪戯説については、目撃例も少ないため、一部は悪戯もあるが、多くは該当しないというのが見解のようです。
錯覚説はカエルの事例に対する仮説で、大量発生したカエルの集団が町を横断しようとして、道路などを埋め尽くした場合に、まるで空から降ってきたようにも思える、という仮説です。
3.チャールズ・フォートの理論&まとめ
様々な物体が降り注ぐ、ファフロツキーズ。
原因がしっかりとわかっているものも多いですが、その反面、どうにも説明がつかないものがあるのも事実です。
こうした怪奇現象のパイオニアともいわれるチャールズ・フォートはこの現象についての考察の中で、「テレポーテーション」という概念を考え出しています。現在でこそ、様々な場面やSF映画などで耳にしますが、もともとはこのファフロツキーズにおいて、物体がある場所から瞬間移動しているのではないか、ということから生まれた言葉です。
フォートは、このテレポーテーションによって移動した物体は、大気圏上空にある「超サルガッソー海」という特殊な空間に蓄積され、それが時々降ってくることにより、この現象が起こると考えていたようです。
科学的説明がつく現象なのか、それとも私たちの常識を超えた超常現象なのか・・・。
その真相は未だに解明されていませんが、世界にはまだまだ科学の力で解明できないことが多いということですね。
いつの日か、自分自身でもこの怪奇現象を体験する日がくるかもしれませんね・・・。
参考: